法人口座(ネット銀行)の選び方|振込手数料・開設スピードを比較

法人口座(ネット銀行)の選び方|振込手数料・開設スピードを比較

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会社を設立したばかりの一人社長。「取引先への振込は月20件ほど。店舗に行く時間はないので、ネットで口座を作って会計ソフトともつなぎたい」――そんな方に向けて、ネット銀行の法人口座の選び方と、主な銀行の公開情報を整理しました。

この記事でわかること

  • 法人口座(ネット銀行)を選ぶときの5つの基準
  • 5行の他行宛振込手数料・口座開設スピード・対象の比較
  • ネット銀行を法人口座にするときのデメリットと注意点

結論:「振込件数×手数料」と「開設までの日数」で絞り込む

  • 毎月のコストは他行宛振込手数料で決まりやすい。月の振込件数をかけ算して比べましょう。
  • 開設スピードには条件がある。「最短当日」「最短翌日」は、オンライン申込で本人確認などの条件を満たした場合の目安です。
  • 個人事業主か法人かで選べる口座が変わる。法人専用の口座もあります。
  • 融資を受ける予定があるなら、地域の金融機関との取引も検討。ネット銀行だけで完結させるか、使い分けるかを考えておくと安心です。

法人口座の選び方:5つの基準

1. 他行宛振込手数料と無料特典

同じ銀行あての振込は無料でも、他の銀行あては1件ごとに手数料がかかります。設立直後の法人向けに一定回数を無料にする特典を設けている銀行もありますが、期間と回数に限りがあります。

2. 口座開設までの日数と条件

オンラインで書類を提出し、代表者の本人確認をスマホで行う方式なら早く開設できる傾向があります。一方、郵送申込では2〜3週間程度かかるとしている銀行もあります。

3. 対象(法人・個人事業主)

法人のみが対象の口座と、個人事業主も開設できる口座があります。屋号付きの口座名義にできるかも確認ポイントです。

4. 会計ソフト連携・API・デビットカード

API(他のシステムと口座データをつなぐ仕組み)や会計ソフト連携があると、記帳の手間を減らせます。デビットカードの還元率も銀行ごとに異なります。

5. 融資・ATM・現金の扱い

ネット銀行は店舗がなく、現金の入出金は提携ATMで行い、手数料がかかることがあります。事業性融資の有無もあわせて確認しましょう。

ネット銀行の法人口座 5行の比較表

※各行の公式サイト等の記載をもとに作成(2026年10月確認)。手数料は税込。改定されることがあります。

銀行・サービス 対象 他行宛振込手数料 口座開設スピード 主な特徴
GMOあおぞらネット銀行 法人・個人事業主 当行宛て無料。他行宛ては公式サイト内で100円・130円の表記があり要確認 最短即日(条件あり) 銀行APIを原則無償提供、設立前の予約申込
ラクスルバンク 法人(中小企業向け) 119円/件(サービス開始時の発表) 最短申込当日(条件あり) GMOあおぞらネット銀行の銀行代理業。デビットカードは通常2.0%ポイント
ドコモSMTBネット銀行 法人(日本国内で登記) 当行宛て0円、他行宛て145円(件数に応じ130円に引き下げ) オンライン申込で審査完了まで最短翌日 月額基本料0円、決算書不要の事業性融資あり
PayPay銀行(※) 法人・個人事業主 当行宛て0円、他行宛て145円 最短当日 キャッシュカードにVisaデビット機能
楽天銀行(※) 法人 宛先・金額により異なる(公式サイトで要確認) 公式サイトで要確認 楽天市場の出店店舗向けの案内もある

※PayPay銀行・楽天銀行は当サイトの広告提携先ではありません。参考として掲載しています。

振込コストの試算例

他行宛ての振込が月50件の場合、1件145円なら月7,250円、1件119円なら月5,950円で、差は月1,300円(年15,600円)です。件数が少ない会社では差が小さくなるため、無料特典の期間なども含めて比べましょう。

各行の特徴・向いている人・注意点

GMOあおぞらネット銀行

特徴:法人口座の月額の口座維持手数料は0円。取引責任者と代表者が同一で所定の本人確認方法を満たせば、最短即日で開設できるとしています。登記前に申し込める「予約申込」があり、35種類以上の銀行APIを原則無償で提供。設立1年未満の法人向けに、他行宛振込が月20回×最大12か月無料になる特典を案内しています。個人事業主口座は屋号付き・個人名のどちらでも開設可能です。

向いている人:設立直後から口座を使いたい法人、会計ソフトや自社システムと口座をつなぎたい人。

注意点:他行宛振込手数料は、公式サイト内のページによって表記が異なっていました(100円・130円)。とくとく会員(月額500円)で単価が下がるプランもあるため、最新の手数料表で確認してください。

GMOあおぞらネット銀行の公式サイトを見る

ラクスルバンク

特徴:ラクスル株式会社のグループ会社が、GMOあおぞらネット銀行から銀行代理業の委託を受けて提供するサービスです(2025年11月開始)。口座はGMOあおぞらネット銀行の口座になります。他行宛振込は119円/件、デビットカードは発行手数料・年会費無料で通常2.0%のポイント還元と発表されています。

向いている人:他行宛の振込が多い中小企業、ラクスルのサービスを利用している企業。

注意点:数字はサービス開始時のラクスル株式会社の発表に基づきます。最短当日の開設にはGMOあおぞらネット銀行が指定する条件があります。法人向けのサービスのため、個人事業主の扱いは公式サイトで確認してください。

ラクスルバンクの公式サイトを見る

ドコモSMTBネット銀行

特徴:2026年8月3日に住信SBIネット銀行から商号変更した銀行です。金融機関コードや口座番号は変わらないと案内されています。法人口座は月額基本料0円で、オンライン申込なら代表者の運転免許証による本人確認で、審査完了まで最短翌日。決算書不要の事業性融資サービスもあります。

向いている人:実店舗に行かずに開設したい法人、将来の運転資金の借入も同じ銀行で検討したい法人。

注意点:オンライン申込には、代表者が有効な運転免許証を持っていることなどの条件があります。郵送申込では審査完了まで2〜3週間程度かかるとされています。審査結果によっては開設できない場合もあります。

ドコモSMTBネット銀行の公式サイトを見る

PayPay銀行(参考)

法人・個人事業主の口座があり、最短当日で開設可能としています。当行宛て振込は0円、他行宛ては145円。新規開設者向けの振込手数料無料特典も案内されています。

楽天銀行(参考)

法人ビジネス口座を提供しており、総合振込や給与振込、ビジネスデビットカードなどのサービスがあります。振込手数料は宛先や金額によって異なるため、公式サイトで確認してください。

申し込む前に準備しておきたいこと

自社の使い方を数字で把握する

  • 他行宛ての振込が月に何件あるか
  • 現金の入出金をどのくらいの頻度で行うか
  • 使っている会計ソフトや、つなぎたい業務システムは何か
  • 今後1〜2年で借入の予定があるか

この4点が決まると、手数料単価・ATM・API・融資のどれを重視するかがはっきりします。

開設条件と書類を確認する

ドコモSMTBネット銀行は、法人口座の条件として「日本国内で登記がされていること」「法人の居住地国が日本であること」を挙げています。オンライン申込ではさらに、代表者が有効な運転免許証を持っていること、実質的支配者(会社を実質的に支配する個人)の申告が5人以下であることなどが条件です。

GMOあおぞらネット銀行の個人事業主口座は、屋号付き・個人名のどちらでも開設でき、自撮り動画による本人確認を行えば審査完了当日から利用できるとしています(審査状況により時間がかかる場合あり)。

また、事業の実態を確認する書類を求められることがあります。たとえばGMOあおぞらネット銀行の個人事業主口座では、事業内容確認書類として契約書、事業内容がわかるホームページのURL、請求書・発注書・納品書などが例示されています。開設を急ぐ場合は、事前に各行の必要書類のページを確認しておくと手戻りを防げます。

ネット銀行を法人口座にするデメリット・注意点

  • 口座開設には審査がある:事業内容がわかる資料の提出などを求められ、開設できないこともあります。
  • 店舗での相談ができない:手続きは原則オンライン。窓口で相談したい場合は不向きです。
  • 現金の扱いにコストがかかる:提携ATMの入出金に手数料がかかる場合があります(例:GMOあおぞらネット銀行、ドコモSMTBネット銀行はいずれも1回110円の区分あり)。
  • 手数料の改定が多い:GMOあおぞらネット銀行は2025年8月にも他行宛振込手数料を改定しています。契約前に最新の手数料表を確認しましょう。

よくある質問

Q. 会社の登記が終わる前に申し込めますか?

A. GMOあおぞらネット銀行には、登記完了前に申し込める「予約申込」があります。ほかの銀行は登記後の申込が基本です。

Q. 個人事業主でも開設できますか?

A. 今回の5行では、GMOあおぞらネット銀行とPayPay銀行が個人事業主向けの口座を案内しています。法人専用の口座もあるため、申込前に対象を確認してください。

Q. 申し込めば誰でも開設できますか?

A. いいえ。各行の審査があり、結果によっては開設できない場合があります。ドコモSMTBネット銀行もFAQで、審査の結果によっては開設できないことがあると案内しています。

Q. 法人口座は1つで足りますか?

A. 振込の多い決済用口座と、融資取引のある金融機関の口座を分けて使う会社もあります。手数料と、借入の予定を踏まえて検討しましょう。

まとめ

ネット銀行の法人口座は、他行宛振込手数料、開設までの日数、対象者、API・会計ソフト連携で選ぶのが基本です。振込件数が多いなら手数料単価を、設立直後なら開設スピードと特典を重視するとよいでしょう。手数料は改定されることがあるため、申し込む前に各行の最新情報を確認してください。

出典

情報は2026年10月時点の各社公式サイトに基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。